マボヤはその見た目から海のパイナップルとも呼ばれ、東北を中心に流通しております。
奇怪な見た目、独特の食味、そして幼生期は魚のように泳ぎ回るという驚きの生態、どれをとっても一癖も二癖もある生き物です。
ここではマボヤはどんな生き物なのか、思い出を交えながら書きつつ、ギターにしてみたいと思います。
マボヤはこんな生き物
マボヤはマボヤ目マボヤ科に属しておりますが、何の知識もない状態で写真を見たら、生き物かどうかすらわからないかもしれません。
海産物という知識があれば、何に近い生き物なのかと考える人もいるでしょう。
貝やナマコの仲間だというように思われがちですが、実際はどちらともほど遠い生き物です。
「尾索動物」という部門に属しておりますが、詳細については割愛させていただきます。
「ホヤはホヤ!」とだけ覚えておくと良いかもしれません(笑)
市場で見かける成体のマボヤは、いぼ状の赤い殻のような皮に包まれております。
しかし、生まれたばかりの幼生はオタマジャクシのような見た目をしており、海中を泳ぎ回ることができます。
ホヤの幼生は海中を泳いで岩場などの固着する場所を探し、場所が決まるとその場に留まり、徐々に成体のような形に姿を変えていくのです。
マボヤが見た目だけではなく、食味も独特です。
殻を剥いたものを刺身や酢の物で食べるのが一般的ですが、しこっとしたその身を噛みしめると磯の風味と塩味が口の中に一気に広がり、続けて苦味と甘味をを舌の奥に感じます。
この苦味が独特で、ホヤをあまり得意としない人が多いのはよくわかります。
他の海産物が好きでもホヤだけ駄目という人も少なくありません。
しかし、マボヤは新鮮なものほど苦味より甘味を強く感じられると思っています。
岩手・宮城はマボヤの生産量が飛びぬけて多く、新鮮なものを口にできる機会に恵まれております。
ありがたいことです。
また、生で食べる以外の食べ方もあります。
軽く干したものや塩辛は酒の肴として重宝されておりますし、加熱調理したものは風味が強く、苦味が緩和されます。
最近では唐揚げやパスタ、炊き込みご飯といったレシピを見ることも増えてきました。
マボヤが全国区になる日は、そう遠くないのかもしれません。
マボヤの思い出
前項でホヤをあまり得意としない人が多いのはよくわかると書きました。
実際に、私も中学生の頃までホヤが大の苦手でした。
磯の匂いが強い海産物があまり得意ではなかったため、食卓で母がホヤをむいている日は、なるべくリビングにいないようにしておりました。
匂いを嗅ぎたくなかったんです。
高校生の頃、部活の合宿か何かで海辺の宿に泊まる機会がありました。
その時の夕食に、ホヤの酢の物が出てきたのです。
これは困ったことになったと思ったのですが、同級生の前で「これ苦手だから残すわ」という姿勢を見せるのもなんだか恥ずかしい。
そのため、何事もないような顔をして、食事の序盤で片づけておくことに決めました。
意を決してホヤを箸でつまみましたが、このまま食べるのは勇気が要ったため、一緒にきゅうりをつまみ直してから、覚悟を決めて口に入れました。
これがホヤを初めて食べた瞬間です。
「美味い」とは思えませんでしたが、「なんとか食べられるかも?」くらいの感想でした。
そうとわかれば話は早く、同じ要領できゅうりと一緒に食べ進めることにしました。
不思議なもので、一度口にさえしてしまえば、2回目以降の衝撃はそれほど大きくないものです。
食べ終わる頃には、ホヤに対する苦手意識をそこまで感じなくなっておりました。
食べることができた、という思いが上回ったのです。
その後、出された他の食事を美味しく平らげてから同級生たちのお皿を眺めたところ、みんな平然とホヤの酢の物を食べ終えています。
「なんだ、苦手だったのは俺だけだったか」と思い、部屋に戻りました。
部屋に戻ると、友人が私に「ホヤとかよく食べれるね」みたいなことを言ってきました。
「いや、お前だって食べてたじゃん」と言うと、
「いや、お前が食べているのを見たら、残すわけにもいかないと思って」と彼は言いました。
...なるほど。
みんな周りの目を気にして、やせ我慢してホヤを食べきったということだったのですね...!
今ではすっかり好物になっており、初夏になってホヤをよく見かけるようになるとうれしくなるものです。
焼酎の水割りを呑む時の肴としてうってつけなんですよね。
ホヤを食べた後、焼酎の水割りを呑むと甘く感じます。(水でも同じような体験ができます。)
なんだか不思議ですね。
マボヤをギターにすると
マボヤはレスポールタイプにしてみました。
丸っこい見た目からレスポールタイプが真っ先に浮かんだのですが、食べた際の後味の清涼感のことを考えると、ハムバッカーではなくシングルコイルのものが一番良かったかもしれません。
(※ハムバッカーでデザインしておりました。)
クリーントーンでアルペジオをするのが、一番マボヤらしい演奏かと思います。
ただし、見た目がなかなか特徴的ですので、しっかりと歪ませてリードを弾くというのもありなのではないでしょうか!?
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