暖かい海域を好むイサキは、磯や船からの数釣りが楽しめる人気の釣魚として知られています。
夏に旬を迎える高級魚であり、近年では刺身として口にすることができる機会も増えてきました。
ここではイサキはどんな魚なのか、思い出を交えながら書きつつ、ギターにしてみたいと思います。
イサキはこんな魚
スズキ目イサキ科のこの魚は、群れを作って生活する魚で、40cm程度まで成長します。
若魚は体側に3本の縞模様がくっきりと表れており、イノシシの子どもを連想させることから「ウリボウ」の愛称があります。
この縞模様は成長とともに褪せていき、成魚はオリーブがかった褐色の色合いの魚体をしています。
暖海性の魚であり、宮城の海では漁獲されない魚です。
しかし、最近ではスーパーで見かけることも多くなりました。
旬を迎える夏場になると、体高の広い良型のイサキが店頭に並ぶようになります。
脂の乗りが良く、磯に住む魚が持つ独特の臭みも少ないことから、万人向けの美味しい高級魚であるように思います。
イサキといえば塩焼きというイメージが多いですが、最近では刺身で食べられる機会も増えてきました。
また、身だけではなく、卵や白子の味も良いことが知られています。
特に、白子は大変美味しく、とろけるような濃厚な味わいを楽しむことができます。
前述のとおり、私が住む地域にはいない魚ですが、多く生息する地域では人気の釣魚です。
磯や船から数釣りを楽しむことができる高級魚ですので、イサキを狙って釣れる地域の皆さんが羨ましい限りです。
私は東北が大好きなのですが、こういうことを考えると、暖かい地方への憧れが強くなったりもしますね。
イサキの思い出
魚に対する思い出は、美味しかった、きれいだった、釣り味が良かった、といった美しいものだけとは限りません。
時に、少し苦い、教訓のような体験だって中にはあるのです。
イサキをスーパーで見かけたことは、以前も何度かあったかと思いますが、特に多く見かけるようになったのはここ5年くらいのことかと思います。
美味しいとは聞いていましたが、スーパーで1匹1000円以上することも珍しくない高級魚ですので、なかなか手を出せずにいました。
しかし、ある時値引きされて400円ほどになったイサキを見つけたことがありました。
1匹400円という値段でさえ、魚1匹に出す金額としては、少し高く感じてしまいます。
ただ、相手は美味しいと有名な高級魚です。
何度か売り場の前を行き来して悩みつつ、ようやくカゴに入れました。
30㎝は優に超えた大きなイサキを手に入れて、作るのは塩焼き一択でした。
すでに鱗と内臓が処理された状態で売られており、塩を振ってグリルで焼くだけの簡単な調理だと思いました。
だが、ここでアクシデントが。
魚が太すぎて、グリルに入れてみたところ大変窮屈になってしまったのです...。
この場合、2枚におろして半身ずつ焼くという手があったのかもしれません。
しかし、私は愚かでした。
無理やりにグリルの引き出しを押し込み、そのまま焼き始めてしまったのです。
異変はすぐに起こりました。
イサキの皮下から滴り落ちる脂が、魚焼きグリルの火に時折引火して、その度にオレンジ色の火柱が上がります。
火を弱めてみたのですが、そもそもイサキが太すぎて、最初からグリルの着火部分に当たっていたようで、どう頑張っても引火が免れられません。
いてもたってもいられず、一旦火を止めて引き出してみることにしました。
...引き出せません。
よく見ると、魚体がグリルの中で反り返っています。
グリルの上部にぶつかっているため、これでは引き出すことができません。
しかし、私は愚かでした。
無理やりに引っ張り出してしまったのです。
すると...。
中の方でつぶれたような感触があり、引き出したグリルにはボロボロになった生焼けのイサキが無残に横たわっていたのでした。
私は泣きそうになりながら、そのイサキを一度、まな板の上に乗せました。
見栄えはもはや修復不可能なのですが、完全に火が通っていない場所が多く、まだ軌道修正の余地はありそうでした。
そのため、このタイミングでイサキを2枚におろし、骨付きの方をグリルに戻し、もう片方はフライパンで焼くことにしたのでした。
そうしてできた、よれよれのイサキの塩焼きは非常に美味しいものではありました。
ただ、最初の判断を間違えさえしなければ、もっと美味しかったのかもしれないと思うと悔しく、魚にも申し訳なくて心が痛みました。
せめてもと思い、完成した料理をいつも以上に丁寧に食べたのは言うまでもありません。
それ以降、私はグリルを使う際に過度に慎重になっているように思います。
魚のサイズ、一度に焼く数といったことを考えずに、欲張って失敗するのはもうこりごりなのです。
イサキはあれから何度か購入し、あの時のリベンジを果たすこともできました。
「グリルに入らない魚はグリルで調理できない」なんて、当たり前の話なんですけどね...。
イサキをギターにすると
イサキはレスポールタイプにしてみました。
レスポールタイプ特有の丸みを帯びたボディと、ハムバッカー2基の重厚な音は、旬を迎えて脂の乗ったイサキの美味しさを連想させます。
ヒレや頭部の黄色が、ギターにした際にアクセントとして映えるように思います。
夏はもちろん、それ以外の時期もアグレッシブに演奏するのが良いのではないでしょうか!?
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