アジ類の中で最もポピュラーな魚がこのマアジです。
比較的安価ながらとても美味しく、様々な調理法があることから、スーパーではおなじみの魚です。
ここではマアジはどんな魚なのか、思い出を交えながら書きつつ、ギターにしてみたいと思います。
マアジはこんな魚
スズキ目アジ科のこの魚は、アジと名がつく魚の中の代表格の魚です。
いかにも魚らしいフォルムをしていますが、観察してみると特徴がいくつかあります。
まず、最も特徴的な点は、体の側線に沿って「ぜいご(ぜんご)」と呼ばれるトゲ状の鱗がある点です。
アジ科の魚はほぼ必ずぜいごがあるため、見分けるときに役立ちます。
また、獲物を捕食するときに口が大きく伸びます。
普段はあごの中に折りたたまれるように格納されている口が、プランクトンなどを捕食する際に大きく伸びるのです。
この特徴は、イワシやヒイラギ、クロサギなどのプランクトン食の魚にも見られます。
体色は全体的に黒みがかった個体(クロアジ)と、黄褐色の個体(キアジ)とでわかれますが、生息場所の違いで変わるだけで、どちらも同じマアジであることに変わりはありません。
しかし、習性によって見た目に変化が現れます。
クロアジは沖合を広く回遊し、スマートな体型であるのに対し、キアジは沿岸を小さく回遊するか、またはその場に居つく習性があり、少しずんぐりとした印象を受けます。
漁獲量はクロアジの方が多いですが、キアジの方が脂の乗りが良く美味しいとされています。
マアジの思い出
「アジという名前は味が良いからなんだよ」と、幼い頃に教わったことがあります。
確かに、アジほど調理法を選ばない魚も珍しいのではないでしょうか。
焼き物はシンプルな塩焼きで美味しく、干物も逸品です。
生食もできるため、タタキや寿司になります。
揚げ物はアジフライが定番ですが、南蛮漬けや唐揚げもまた美味しいです。
漁師町では煮つけで食べられるようで、静岡の沼津に行った際に食べた味の煮つけ定食は絶品でした。
また、アジ類は汁物にしても美味しく、みそ汁の文化の強い沖縄に行ったときに食べた「がーら汁(※おそらくマアジではなくヒラアジ類の魚かと思いますが)」は、ご飯によく合いました。
宮崎名物の「冷汁」も、マアジの干物を使ってつくると風味絶佳。
調理法のどれもが「まあ食べられる」ではなく、どれも高ポイントを取っていて、能力を五角形で表したらとても大きな五角形になります。
こうして調理に隙が全くないのに、比較的安価で安定しているのがうれしいところです。
実家に住んでいた頃、母親が作ってくれる大きなアジの唐揚げが大好きでした。
30cm近いアジの頭と内臓を取ったら、開きにはせず丸のまま塩コショウと小麦粉をはたいて揚げた、シンプルかつ豪快な料理でした。
途中までそのまま食べて、後半はレモンかすし酢を少しかけて食べるのもまた一興でした。
大人になって、この料理を再現してみたことがあります。
調理の工程はさほど難しくないのですが、大きなフライパンと大量の油が必要となり、なかなか大変でもありました。
もちろん美味しかったですが、やはり母親が作る味には敵いません。
閉店間近のスーパーに行くと、魚介類が信じられない割引をされて投げ売りされていることがあります。
近所のスーパーではアジが大量に余っていることがあり、最終的に25㎝級が1匹45円くらいになっていたりします。
このとき、陳列された値引きアジを大量買いして、家でさばいて唐揚げと南蛮漬けにするのが週末の楽しみになっています。
調理したその日は唐揚げで焼酎を飲んで、翌日になってから南蛮漬けで焼酎を飲みます。
飲みすぎてしまうので、そこが難点です笑
また、10cmに満たない豆アジがパックに詰められて売れ残っているのを見ると、なんだかかわいそうになって、ついつい買ってしまいます。
豆アジはじっくり火を通すことで骨まで食べられるようになるので、内臓だけ取って、あとは頭もぜいごも気にせずに、塩焼きや揚げ物にして食べています。
カルシウムも取れるし、廃棄も少なくて済むし、値段も安価なので助かっています。
宮城の堤防でサビキ釣りをすると、イワシやサバ、コノシロやサッパといった魚はよく釣れますが、アジはなかなか釣れません。
宮城に来て釣りを始めてもう10数年経ちますが、釣れたのはたったの2回、それも5㎝くらいの個体でした(リリースしました)。
良型のアジが入れ食いになる地域に住んでいる人を、とても羨ましく思う今日この頃です。
マアジをギターにすると
マアジはどんなギターでも合うかと思いますが、まずはストラトキャスタータイプにしたい!と思いました。
高音域が明るく、3つのピックアップがついていることから、ハーフトーンによる音作りも多彩です。
フェクターの乗りも良く、バッキングからソロまで取り回しのしやすいエレキギターです。
スタンダードなモデルながら、弾き手によってそれぞれの個性あふれる音が生まれるこのギターは、調理法を選ばず誰からも愛されるマアジのモチーフが良く似合うのではないでしょうか!?
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