サヨリをムスタングタイプにしたい!

海水魚

サヨリが市場に出回り始めると、「ああ、春になったなあ!」と感じます。

水面近くを泳ぐ習性があるため、群れが岸近くに寄っているときには見釣りができる魚です。

ここではサヨリはどんな魚なのか、思い出を交えながら書きつつ、ギターにしてみたいと思います。

サヨリはこんな魚

口紅をしているかのよう

ダツ目サヨリ科のこの魚は、とても細長い体形をしています。

そのため、漢字では「針魚」や「細魚」の字があてられています。

また、下あごが長く突き出ており、その先端はほんのりと赤く染まっています。

カジキ類など、上あごが下あごより長い魚はいますが、下あごが上あごより長い魚は珍しいと思います。

この長いあごが何かに役立っているのだろうかと観察したことがありますが、エサを取るときに少し邪魔になっているように思えて、結局何に役立っているのかはわかりませんでした。

沿岸を群れで回遊する魚で、汽水域でも見られる魚です。

特筆すべきなのは、この魚は水面から数10㎝のところを回遊しているため、群れが接岸するとその姿を目視で確認できる点です。

背は浅葱色をしていて、とても細長い体形であることから、サヨリが体をしならせて岸近くまで泳いでくると一目でわかります。


この魚、見た目はとてもスマートですが、さばくと腹の中が真っ黒です。

見た目は美しいのに腹黒い人のことを、「サヨリのような人」といったりするのはこのためです。

サヨリの思い出

子供の頃、魚の図鑑を見ていた私を一瞬で虜にした魚です。

この特徴的な見た目がユーモラスで、いつかは本物を見てみたい、できれば触ってみたいと思っておりました。

しかし、私の住んでいた盛岡では、当時そこまで流通に乗っていない魚だったため、なかなかその機会に巡り合うことができませんでした。

その瞬間はいきなりやってきました。

ある日、いつものように家族で海釣りをしていたところ、サビキ釣りのコマセに集まる魚たちの中に、ひときわ目を引く魚体がありました。

細長い体をくねらせて泳ぐその魚は、サビキ仕掛けの疑似餌を躊躇なく口にするサバやイワシとは違い、疑似餌には見向きもせずに周りのコマセだけをついばんでいます。

その魚の正体がサヨリだとは、そのときは知らなかったのですが、その奇妙な魚をどうしても釣ってみたくなり、サビキ仕掛けに直接アミエビをつけて仕掛けを投入してみることにしました。

すると、念願がついにかないました。

確か、25cmくらいの魚体だったと思います。

生きているサヨリは図鑑で見るよりもはるかに美しく、緑色に寄った浅葱色の背や、口元の赤い色、腹部の銀色、その全てが光り輝いて見えました。

結局そのときは数匹しか釣ることができませんでしたが、持って帰って食べてみて2度驚きます。

刺身で食べたところ、淡白そうな見た目なのに旨味がとても強く、後味に少し苦みがあるのも好ましく、さらにこの魚が好きになりました。

それからというもの、他の釣りをしているときにサヨリの群れを目視で確認できた場合に、すぐに狙えるように、釣行時にはサヨリ仕掛けを常に携行することにしています。

コマセカゴやシモリ浮きを使った仕掛けが一般的のようですが、私は感度の良い小型の立ち浮きを使ったフカセ釣りでサヨリを狙うのが好きです。

悪天候のあとなど、外海がまだ少し荒れているときに、静かな内湾の漁港にサヨリの大群が回遊していることがあります。

こういうチャンスがあったら、群れを散らさないようにコマセをまき、手返し良く釣るようにしていると、100匹以上釣れることもあります。

子供の頃の自分に教えてあげたい事実です。

ガラス細工のような美しさ

サヨリは鮮度が良ければ迷わず刺身にします。

30㎝以内のものしか釣ったことはありませんが、小骨はあまり気にならず、刺身にしやすい部類だと思います。

刺身で食べられるだけ食べたら、他の調理も楽しみます。

塩焼きは間違いなく美味しく、お酒によく合います。

てんぷらやフリッターにすると、万人向けながらしっかりと個性のある料理になります。

おそらく、皮目に独特の香りと旨味があるのだと思います。

加熱する料理で個人的に一番好きなのは、お吸い物です。

お吸い物と言っても難しいものではなく、温めただし汁に三枚おろしにした皮付きのサヨリの身を入れ、静かに加熱するだけです。

柔らかくほろりと崩れ、旨味がゆっくりと広がってとても美味しいです。

また、刺身を作ったときに出る皮や骨も、炙ったり揚げて骨煎餅にするとビールに合います。

ごくまれに、サヨリをスーパーやデパ地下で見かけることがあります。

以前とあるデパ地下で見たときは、25cmそこそこのサヨリが1匹1000円近い値段で売られていたこともありました。

40cmを超えるようなサヨリは、あまり出回らず、獲れたら高級料亭に直行なんて話も聞いたことがあります。

そんな高級魚を、いろんな調理法で食べ比べるチャンスがあるというのは、釣り人冥利に尽きます。

いつか40cmを超えるサヨリを釣って食べてみたい。

この願いはどれだけ時間をかけてでもいいので、いつか必ず叶えます!

サヨリをギターにすると

爽やかなギターだな

サヨリはムスタングタイプが良く似合うと思います。

ムスタングはショートスケールのギターで、見た目もかわいらしいのですが、オーバードライブのエフェクターをかけると、高音が強調されてじゃじゃ馬サウンドに変身します。

また、カッティング奏法をすると歯切れよく、爽やかな響きにもなります。

見た目の美しさに反して腹黒だったり、淡白なのに旨味が強かったりといった、サヨリの魅力はムスタングタイプで引き出されるのではないでしょうか!?

コメント

タイトルとURLをコピーしました