宮崎の名物に「冷汁」と呼ばれるものがある。
見た目は薬味がたくさん入った味噌汁のようなのだが、普通の味噌汁とは決定的に異なる点がある。
それは、氷を入れてキンキンに冷やすという点だ。
この冷たい汁は滋味豊かで、温かいご飯にかけて食べるととても美味しい。
食欲が落ちがちな夏場にもってこいの料理なので、宮崎だけにとどまらず、今や知名度は全国区になりつつあるかもしれない。
東北在住の私も、例に漏れずよく作って食べている。
冷汁の正規の作り方
さて、この冷汁、普通の味噌汁に氷を浮かべればよいのかと言えば、そういう訳でもないらしい。
実は私も、これまでテレビで見た冷汁の完成品をもとにして適当に作っていたのだが、良い機会なので農林水産省のサイトにて確認してみることにした。
そこに書かれていたレシピのようなものは、以下のとおり。
タイかアジなどの魚を素焼きにして、身をほぐし、骨を丁寧にとっておく。すり鉢で白ゴマをすり、ほぐした魚の身と味噌を入れてすり合わせ、これをすり鉢の内側にまんべんなくぬりつけて、炭火の上にさかさまに伏せ、味噌の表面にいくらか焦げめがつくくらい炙る。焼いた味噌をだし汁でといて、味噌汁より濃いめの汁にしあげ、これを冷たくしておき、小口切りにしたきゅうりをのせ熱い麦飯に冷汁をかけて食べる。タイやアジなどを使うのはぜいたく版で煮干しを炒ったものを材料にする場合もある。
農林水産省HP https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hiyajiru_miyazaki.html
文章を読むだけで、その美味しさが伝わってくるようだ。
焼いた魚の旨味と、ゴマを混ぜた焼き味噌の風味が汁に溶け込むのだから、それはもう美味いに決まっている。
私はアジの干物を焼いた時に、その一部をあらかじめ取っておいて、翌日に冷汁にすることが多い。
アジの出汁は青魚にしては柔らかで、冷汁との相性が抜群だ。
調理工程を省いた、”なんちゃって”冷汁にしてみる
夏場の厨房は暑い。
火の前に数分立っているだけで、汗が止まらなくなることもしばしば。
加熱調理をしたくない日がどうしても出てくる。
そこで。
冷汁は涼を感じられる料理ということもあって、加熱を伴う調理工程を省いてみたらどうだろうか?
そんなわけで、材料を用意。
用意といっても、この日に自宅にあったものを出してきただけ。
味噌、出汁パック、キュウリ、ミョウガ。
あと、すりゴマ。
自分ですった方が美味しいけれど、工程を少なくするために、今回はすりゴマを用意。
①まずは出汁パックをこのように手に取ります。
そして、上の方を破きましょう。
出汁パックの中身を、このように丼にすべて出します。
出汁「パック」とは?という気になりますが、気にしないでおきましょう。
②そこに味噌を加えます。
この時、出汁パックに塩が含まれているか、事前に調べておくと良いかもしれません。
塩が入っているようであれば、味噌の量は少なめにしておきます。
③そこに水を入れます。
ぬるま湯とかではなく、ただの水です。
④続いて野菜の登場です。
今回はキュウリとミョウガを入れましたが、大葉やショウガがあれば入れた方が美味しくなります。
(今回は手持ちがなかったので入れておりません。)
⑤切った野菜を丼に入れて軽く混ぜます。
完成までもう少し。
⑥すりごまを振りかけます。
本当なら出汁パックと味噌を丼に入れた際に一緒に入れればよかったのですが、入れ忘れていたので振りかけることにしました。
⑦最後に氷をたくさん浮かべて完成!
温かいご飯と一緒に食べましょう。
この調理だと、「魚を焼く」「味噌を焼く」といった火を使う工程がなくなるので、暑さ対策はばっちり。
味噌を焼いていない分、風味は若干劣りますが、充分美味しくいただけるでしょう。
今年もあと何回か作って食べる予定。
今年の夏ももうすぐ終わりか。
あっという間だったなあ。
最後まで夏バテしたくないものです。
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