サヨリを隅々まで味わう

日記
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先日、久々の釣行でサヨリを手にすることができました!

今回はその調理編です。

サヨリを調理する

このフォルムを見るだけでワクワクする

持ち帰ったのは20~25cmほどのサヨリ9匹。

サヨリは見た目から特徴的ですが、実は香りも特徴的です。

その香りは釣れたときからすでに漂っています。

ただの生臭さとははっきりと異なる青っぽさというか、独特の香りなんですよね。

今回の釣果は9匹とそこまで多くないことから、今回は「刺身」と「お吸い物」の2本立てで作ってみようかと思います。

ということで、まずは3枚下ろし。

サヨリはとても細い魚なので、いわゆる「大名おろし」という方法でも、骨にあまり身を残さずにさばくことができます。

また、他の魚を刺身にする時には、「腹骨」と「血合い骨」を取り去る工程が必要ですが、サヨリのそれはあまり堅くないため、私はつけたまま刺身にしております。

サヨリは大きくなると40㎝ほどになると言われていますが、今回の個体はそこまで大きくないので、骨も柔らか。

調理の手間が省けるという意味で助かります。

まずは刺身で

また、3枚おろしにすると、腹びれが身の方に残ります。

なので、刺身にする前に腹びれを取っておく必要があります。

また、刺身の場合、3枚におろした後に皮を引くのですが、サヨリの皮は手で剥がすことができます。

きれいに剥がれてくれるので気持ちがいい!

皮を剥がしたら、後は適宜食べやすい大きさに切るだけ。

今回は3等分です。

こうしてできた刺身がこちら!

ガラス細工のよう

サヨリの刺身はいつ見ても美しいですね。

見た目が涼し気。

やや乳白色がかった透き通った身に、血合いの色が目立ちますが、このコントラストがまたなんとも言えない味わい。

食べてみると、まずは適度な硬さのある食感。

噛みしめると旨味が広がり、その中にはちょっとした苦味があることに気がつきます。

この苦みこそが、サヨリの持ち味で、美味しさのポイントだと思っています。

噛むごとにどんどん旨味が出てきて、最後は甘さに変わっていく。

旨いなあ...。

やはり、サヨリの刺身は美味しいです。

脂の甘さとは全く異なる、上質なたんぱく質の旨さとコクがあるように感じます。

鮮度が良いサヨリが手に入った場合、まずは刺身で食べるのが賢明な判断かと思います。

お吸い物の品の良さは他に代えがたい美味しさ

もちろん、刺身だけで味わうのも良いのですが、加熱調理でも個性を発揮するのがサヨリの良いところ。

塩焼きはいくらでも食べられそうな味わいで、軽く干すと味がさらに凝縮されます。

天ぷらにすると、皮目の風味が活きます。

中骨も柔らかいので、骨付きのままフリッターやフライなんかも美味しい。

ただ、今回はお吸い物にします。

それがこちら!

皮の色合いがなんとも上品

今回は絹ごし豆腐、干しシイタケ、ネギと一緒にお吸い物に仕立てました。

作り方はそこまで難しくなく、昆布メインで作っただし汁にしょうゆや酒などで味をつけ、そこにサヨリの身を入れて、沸騰させないように静かに火を通す。

サヨリの身は薄いので、加熱は数10秒で大丈夫です。

皮つきのまま加熱されたサヨリは、これがなんとも美しい。

身の中央に走る青い筋の色合いがよく映えます。

口に入れると、その身はほろりとほどけ、脆弱につぶれ、口の中で静かに溶けていきます。

旨味は柔らかく、口の中に広がります。

だし汁を一口飲むと、昆布だしだけの味わいではなく、魚の香りがしっかりと立っていることに気がつきます。

沁みるなあ...。

魚料理の中で、汁物という選択肢があるだけで幅が広がるように思います。

魚を使った汁物というと、アラ汁のような味噌仕立てのものの方がなじみ深い人も多いかもしれません。

ただ、淡白で旨味が豊かな魚の場合、味噌汁よりも澄まし汁の方が合う場合もあります。

今回使ったサヨリの他には、アイナメやヤガラといった魚もお吸い物にすると個性が際立つように思います。

骨や皮も美味しいのがサヨリの魅力

さて。これで終わりではありません。

刺身用におろした際に、骨や皮、ヒレといった部分が残っています。

サヨリの場合、これらを捨ててしまうのは非常にもったいない!

美味しく活用していきましょう。

まずは皮と腹びれから。

真ん中に乗っているのは赤しその漬物です。

サヨリの皮は実に旨味豊かで、小粋な料理屋さんなどでは、刺身におろしたあとのサヨリの皮を、竹串に巻いて焼いたものを出してくれることもあるようです。

うれしい心遣いですよね。

そういった粋な演出ができるのも、サヨリの皮の美味しさあってのことかと思います。

今回はキュウリと一緒に酢の物にしてみました。

これは手軽で美味い。

酢に軽く漬けることで、腹びれのわずかな骨も柔らかになっています。

箸休めにもってこいの爽やかな味わいです。

中骨はこんな感じに。

ちょっと焦がしてしまった

中骨は骨せんべいに。

油で揚げると短時間でかつ美味しくできますが、今回は脂を表面になじませてからクッキングシートに置き、トースターで5分ほど焼きました。

サヨリの骨は柔らかで、かつ味わい深いものです。

こういった魚は骨せんべいに向いています。

イワシやニシンなんかも、骨が柔らかくて作りやすいですね。

今回はお酒を飲みませんでしたが、酒の肴としては充分すぎるほどの味わいです。

釣り場でサヨリの姿が見えたら積極的に狙おう

そんなこんなで、久々のサヨリの味わいを堪能しました。

このサヨリという魚、スーパーなどで売られているのは稀で、私は春先にたまに見る程度です。

また、買うと結構いいお値段がするんですよね。

ただ、群れさえ入っていれば数釣りを楽しめる魚でもあるので、積極的に狙ってみるのも面白いかと思います。

釣って良し食って良しの、粋で気品のある魚。

あまりなじみがなかった方も、ぜひ一度注目していただければと思います。

今年中にもう1回釣れたらいいんだけどな。

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