新鮮な魚を手に入れた場合の「水なます」という選択肢

日記
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先日の台風が通り過ぎた後から、急激に肌寒くなってまいりましたね。

今年の夏も暑苦しさに文句を言ったりして過ごしておりましたが、いざ暑さが過ぎ去ってしまうとなんだか寂しいような気になるから不思議です。

夏野菜を美味しく消費する

さて。

暑い時期に多く収穫される夏野菜ですが、時と場合によっては大量に家に集まってくることがありますよね。

私も今年、ナスやピーマン、ミョウガやキュウリといった野菜を大量にいただく機会がありました。

自分で購入した数日後に大量にもらう、といった場面も珍しくありません。

冷凍保存できるものは切って冷凍しておきますが、それでも念頭によぎるのは「この野菜を何とか大量消費せねば...!」という思い。

食べ飽きる前に、「美味しく」「大量に」使いたいところです。

そこで、今年の夏は山形の「だし」宮崎の「冷汁」が大活躍したわけです。

「だし」は食欲のブースター

ナスがひっそりといい仕事をしている。

山形の「だし」の作り方は簡単。

ナスとキュウリがメインで、あとは大葉やミョウガ、ショウガといった香味野菜が入ります。

野菜を細かく刻んだら、「納豆昆布」と呼ばれる乾燥昆布と一緒に和えます。

「納豆」の名に恥じない粘り強さ

納豆昆布は、細く切られたがごめ昆布の一種で、粘りが非常に強いのが特徴。

ここに調味液を加えてしばらく寝かせておくと、納豆昆布の力でねっとりとした質感となります。

具材と調味液に一体感が出るのは、この納豆昆布の粘りのおかげかもしれません。

恐ろしい量の白米を食べてしまうことになるぞ

できあがっただしは、ごはんや冷奴の上に乗せたり、そばつゆに入れたりといった食べ方が最高。

ご飯の上に乗せ、生卵をトッピングすると仕上がってしまいます。

「今日の夕飯は食べられないこともないけれど、食べなくてもいいかな...?」という状況から、一転して食欲がブーストされるような実感が、この「だし」にはあると思っています。

「冷汁」は食欲をゼロから生み出す

氷が浮いた味噌汁というのがまたいいんだ

一方、宮崎の「冷汁」も手軽な郷土料理です。

今年の夏は散々作って食べましたが、簡易的な作り方はこちら↓

こちらもキュウリと香味野菜がメイン。

煎ったいりこや焼いてほぐした青魚を使っているので、滋味豊かな汁に仕上がります。

冷汁は「今日は何も食べなくていいや...」というところから、「あ、食べられるかも!旨い!」と状態まで持っていくことができる料理だと思っております。

食べ始めたら最後、気づけばいつも以上に食が進んでしまっていることもあります。

恐ろしい。

食欲をゼロの状態から作り出す力がある、といったところでしょうか。

「水なます」という選択肢

絶対に美味いと言い切れるから買った

先日、鮮度の良いマアジを購入する機会に恵まれました。

鮮度が良いマアジが手に入ったら、積極的に生食していきたい。

刺身にするか、アジのタタキにするか、それともなめろうにするか...

いや!今回は「水なます」だ!

水なますは、千葉の房総に伝わる料理。

新鮮な魚の刺身を、細かくした香味野菜とともに、味噌を溶いた冷たい汁に入れて食べる料理です。

この「水なます」、これまでに何度も作っているのですが、今年の夏は例年になく冷汁を食べたこともあり、冷たい味噌汁を積極的に食べたい体になっております。

今年はまだ食べていないこともあり、作って食べてみることにしました。

我、完全に「水なます」の虜となる

白ゴマの方が写真にした時に映えるかもな

まずはアジを3枚におろし、刺身状に切っておきます。

今回使った野菜はキュウリ、ミョウガ、ショウガ、そしてごく少量のタマネギ。

長ネギが家になかったため、今回はタマネギです。

あと、毎回思うのは大葉を用意しておけばよかったということ。

例年はプランターに植えておりましたが、今年は植えていなかった。残念。

何はともあれ、野菜は冷汁を作る時のように細かくしておきます。

汁は冷汁のときとは違い、出汁を入れません。

味噌を水で溶いて、氷を浮かべて冷やすだけ。

ここに切った野菜と胡麻を入れ、最後にアジの刺身を乗せて軽く混ぜます。

これが、うまいのなんのって。

まず、汁を一口すすると、出汁を入れていないのにも関わらず、はっきりとした旨味成分を感じます。

生のアジから出たクリアな旨味が汁の中に広がり、それを味噌が柔らかく包んでいるかのよう。

中に入っているアジの刺身は、冷たい汁で冷やされてキュッと縮み、そのまま食べる場合と比べて食感が良くなっています。

キュウリは涼やかな食感で、ゴマと香味野菜の風味はわずかに残った魚臭さをコーティング。

これがご飯に合わないはずがありません。

ゆっくり味わっているつもりでも、食べるペースがどんどん上がってしまって困りました。

肌寒い季節になっても食べたい「水なます」

こうして、しっかりと「水なます」の虜となった私。

今回は正攻法としてアジを使いましたが、他の魚を使ったらどういう味わいになるか気になるところ。

市場の端でひっそり売られているような、規格外の小さなワカシ(ブリの若魚)やショゴ(カンパチの若魚)辺りを使って作ってみたいです。

これからの時期、涼しくなるとともに夏野菜を大量に手に入れることは難しくなりますが、そのとき手に入るものを上手に組み合わせながら美味しく調理していきたいと思います!

腹骨の部位も無駄なく食べよう

なお、これは余談なんですが、刺身のサクを取った際に出る腹骨の部分は、加熱調理で美味しく食べられます。

油で揚げれば間違いないですが、今回は簡単に塩コショウを振ってからオリーブオイルでソテー。

そこにしょうゆを垂らし、ワサビを乗せて食べます。

このワサビが決め手ですね。

これがなかなか美味いので、刺身を作った際の楽しみにしようかな。

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