イシダイは荒い磯周りに生息し、堅い口を使ってサザエやウニ、カニといった高級食材を食べる磯の王者です。
また、好奇心が強い魚でもあり、学習能力も高い魚として知られております。
ここではイシダイはどんな魚なのか、思い出を交えながら書きつつ、ギターにしてみたいと思います。
イシダイはこんな魚
スズキ目イシダイ科のこの魚は、「磯の王者」と呼ばれ、磯釣りファンの憧れの魚です。
イシダイ釣りはワイルドな釣りで、波しぶきがかかるような荒い磯で磯で、物干し竿のようなごつい竿に大型の両軸リールというタックルで臨みます。
また、釣りエサも豪華で、大量の貝やウニを用意する必要があります。
イシダイは口先が頑丈なくちばし状になっており、この口を使って貝類やカニ、ウニやフジツボといった堅い殻を持った生物をバリバリと砕いて食べることができます。
見た目の特徴としては、白黒のストライプ模様がまず目につきます。
若魚の頃はこの模様が鮮明ですが、年を重ねるごとに徐々に不鮮明になり、老成して消失した個体は「クチグロ」とも呼ばれます。
若魚は「シマダイ」と呼ばれ、白黒のストライプ模様が鮮明で、表情もどこかあどけない、愛らしい魚です。
シマダイは好奇心旺盛で、目に留まるものはなんでもつつく習性があります。
また、他の魚と比べて知能が高いことで知られており、輪くぐりやボールシュートのような芸を仕込むこともできます。
好奇心旺盛で人なれしやすく、芸を仕込むことができる点から、イシダイのショーを行っている水族館もあるようです。
ぜひ、この目で一度見てみたいところです。
イシダイの思い出
小学生の頃、学校の図書室で「イシダイしまごろう」という本を手に取ったのが、私とイシダイの出会いでした。
イシダイの「しまごろう」とその周りの生き物との関係を描いたシーンや、漁師さんの網にかかったしまごろうが水族館に移されて、そこで飼育員から芸を教え込まれる様子が、生き生きとしたタッチで描かれておりました。
私はこの本が大のお気に入りで、何度も図書室で借りては繰り返し読みました。
そして、いつしか愛らしいこの白黒の魚に会ってみたいと思うようになりました。
出会いにはそこまで時間を要しませんでした。
小学生の高学年の頃、家族で秋田の男鹿へ旅行に行った際、防波堤で釣りをする機会がありました。
日本海の海には、普段釣りをしている岩手の海にはいない生き物が住んでいるかもしれない。
そう思うと旅行がとても待ち遠しかったのですが、いざ釣りを始めると、コマセに集まった魚の中に一際目を引くものがありました。
その魚こそ、白黒のストライプがかわいい、シマダイだったのです。
しかも、潰した貝をエサにしたシンプルなミャク釣りで簡単に釣ることができてしまいました。
数匹釣ることができましたが、しばらく観察した後で弱らせないようにして逃がしました。
イシダイしまごろうの本では、しまごろうはボート釣りをしていた親子に釣られてしまいますが、まだ小さかったためリリースされることになります。
この時の情景がすぐに浮かび、逃がす選択を迷わずに取りました。
思えばこの頃から、小さな魚はすぐに逃がす、という選択をすぐに取るようになったと思います。
シマダイは私に、そんな釣りのルールを教えてくれたのでした。
その後、大人になってからイシダイの刺身を食べる機会がありました。
中型の個体を奮発して購入し、刺身にして食べました。
海産物を食べたときに、舌先に甘さが感られじることがたまにありますが、イシダイは脂の甘さがふくよかで、刺身はもちろんのこと、皮を湯引きしたものが特に甘く感じられました。
もう一度食べたいと思いつつ、1匹丸のまま買うと良いお値段なので、なかなか実現できないのがもどかしいところです。
また、シマダイは昨年の秋に、宮城の海で初めて釣ることになりました。
メバル狙いの外道で、オキアミをつけた胴付き仕掛けにかかっていました。
小学生の頃に秋田で釣った以来ですので、20年以上ぶりに生きたイシダイを手に取ることができたことになります。
見れば見るほど愛嬌がある魚で、かわいらしくてずっと見ていたかったのですが、やはり弱らせないうちにリリースしました。
小学生の頃に読んだ本の思い出は、それだけ鮮烈に頭の中に残っておりました。
イシダイをギターにすると
イシダイはテレキャスタータイプにしてみました。
白と黒の縞模様は、おそらく様々なエレキギターと相性が良いものと思われますが、テレキャスタータイプにした場合に荒さとかわいらしさがちょうどよく共存するように感じました。
フロントやリアのピックアップのみで弾くのもいいですが、ここはセンターにスイッチを合わせて、ゲインを少し強めたクランチでストロークして弾きましょう。
ややディストーションよりでもいいかもしれません。
アタックの速いピッキングで振り抜くようにかき鳴らせば、イシダイの荒々しさを体現できるのではないでしょうか!?
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