2匹だけ釣れたサッパを大切に味わう

日記
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先日の釣行で釣ることができたサッパ。

約5時間の釣りで釣果は2匹だけなので、結果だけ見れば寂しいような気もしますが、友人との久々の釣行はとても楽しいものでした。

単独ではなく、誰かと行く釣りも良いものですね。


サッパとコノシロ

その時の釣行で、私はサッパを2匹釣り、友人はコノシロ(コハダ)を2匹釣りました。

この2種は同じニシン目の魚で、外見が似ているため混同しやすくもあります。

まずはそれぞれの魚について見ていきましょう。

背が青黒い

まずはサッパ。私が釣り上げた方の魚です。

体は薄く、背中は青黒い。

少し前の釣行で釣れたもの

続いてコノシロ。

体が薄く、全体的に銀白色である点はサッパと同じですが、以下の2点により見分けることができます。


①コノシロは体側に小さな黒い斑点が並んでいる
②(写真では確認できませんが、)コノシロは背びれの後方が糸状に長く伸びている

サッパとコノシロは同じような場所に住んでいるため、1回の釣行で両方が釣れることもあります。

コノシロはサッパよりも大きく成長し、25cmほどになるものもいますが、若魚であるコハダサイズだとサッパと同じくらいの大きさになるため、よく見ないと混同してしまうことがあります。

針外しや調理の際に確認してみると、なかなか面白いですよ。

サッパをさばくと、何やら異変が

さて。それではサッパを調理していきましょう。

今回釣れたのは12cmほどの個体。小さな魚ですが、これでも成魚です。

私はこれまで、サッパを秋に釣ったことがあまりありませんでした。

サッパを狙ったサビキ釣りは、ゴールデンウィークの頃から夏の終わりくらいまでに楽しむことが多かったように思います。

この時期のサッパは、青魚の中では淡白で、味わいも穏やか。

この味わいを気に入っているので、まとまった数が釣れるとうれしいものです。

少し小骨があるものの、刺身にして食べることもあります。

写真右側。左はマイワシとカタクチイワシ。


今回持ち帰ったサッパも、簡単にさばいて調理しようと思ったのですが...。

はらわたの処理をしていたところ、ここで思わぬ事態が。

内臓周りに、脂肪の塊が付着している!?

それもなかなかの量で、実際に切った包丁を見ると、先端が脂で白く汚れております。

こんなサッパは見たことがありませんでした。

魚は若魚より成魚の方が脂の乗りが良くなる傾向にあります。

サッパは小さな魚ではあるものの、このサイズでMAXサイズということもあって、旬を迎えるこの時期に脂が乗るのは納得ですが、まさかここまでだとは。想像以上。

こうなると、食べるのが俄然楽しみになってきますが、いかんせん2匹しかない...。

今回はさまざまな食べ方をせずに、2匹ともサッパの持ち味が良く活かされる「酢締め」にすることにしました。

サッパの酢締めは「ママカリ漬け」と呼ばれ、岡山県の名産品となっています。

あまりの美味しさにご飯が足りなくなり、よその家にご飯を借りに行くほどということから「飯(まま)借り」の名が付くほど。

今回の個体は特に状態が良いので、これは期待できそうです。

ママカリ漬けを食べる

サッパの身を3枚におろし、塩で締めてから水で流し、水気をよく拭いてからすし酢にしばらく漬けます。

こうすることで、小骨が柔らかくなり、酸味も良くなじんで美味しくなります。

こうしてできたのがこちら!

4枚だけだと盛り付けが難しいな

半身で1枚、計4枚のママカリ漬けです。やはり少ないな。

口に入れて噛みしめると、まずは酢の酸味があって、ほどなくして旨味が広がります。

そして、脂の質感は確実に感じられます。

他の季節に作ったものとは、味わいの深さがどこか違うように感じられるのは、おそらくこの脂の質感によるものなのでしょう。

サッパはさっぱりとした味わいだと思っておりましたが、これはなかなか濃厚な味わいだ。

すかさずご飯をほおばります。

合わないはずがない。

少しお醤油を垂らしたバージョンも食べてみます。

間違いなく美味い。

こうして、この4切れだけで、私はご飯を2膳食べてしまったのでした。

しかし、やはり2匹分なので物足りなく感じる。美味しいサッパをもう少し味わいたかった...。

そうだ。

やるしかない

取っておいた中骨とハラス、腹骨周りの身。

これらに軽く塩を振って、キッチンペーパーを敷いた上に乗せて、トースターで焼いてみました。

中骨がせんべいのようになっており、香ばしくて美味しいのはわかり切っておりましたが、身の方も味わい深いです。

量がわずかとはいえ、腹回りの身なので脂が乗っており、加熱したことでじゅうじゅうと脂が爆ぜています。

たったこれだけの量なのに、お酒と合わせたら楽しめそうだ。

こちらも美味しく完食しました。

秋のサッパは旨い

今回の釣行は、端的に言えば貧果でした。

しかし、しっかりと釣果の味わいを満喫することができたように思います。

サッパは内湾や河口部を好む魚のため、生息域の水質によっては臭みが出てしまう個体もあると聞きます。

しかし、今回食べた個体はそういった臭みもなく、脂の乗りも良くて大変美味しいものでした。

小さな魚とはいえ、旬に当たるとこんなにも美味しくいただけるとは。

また少し、サッパのことが好きになりました。ごちそうさまでした!

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