磯臭いと有名なニザダイを調理する

日記
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先日購入した未利用魚セット。

たくさんの魚たちに、今回も大満足しながら調理を進めております。

その中でもとりわけ存在感を放っていた魚がこちら!

おちょぼ君

そう、ニザダイです!

東北ではほとんど見かけない魚ということもあり、まな板の上に載せたときの違和感がすごい。

温かい海域で釣りをする人には、有名な魚かもしれません。

といっても、あまり好かれていない印象が。それはなぜかというと...?

ニザダイは磯臭い?

ニザダイは磯臭さが強い魚として有名なのです。

大きくなると40cmを超え、パワフルな引き味ながらも外道魚として忌み嫌われるのは、この食味が大きな原因なようです。

私はこの魚を、今回を含めて人生で3回食べたことがあります。

初めて出会ったのは、石垣島に旅行に行った際のことでした。

地元のスーパーで刺身で売られていたので、うれしくなって購入し、ホテルに戻ってから食べることにしました。

その旅行に行ったのは8月のこと。

よく、夏場のニザダイは特に臭くて食べられたものではないような話を聞きますが、購入したそれは見ただけで脂が良く乗っており、身の色もきれいで美味しそう。

パックを開けて嗅いでみても、嫌なにおいも特にありません。

醤油をつけて食べると、やはり美味しい白身です。

なんだ、美味いじゃない! と思った矢先。

鼻の方に抜けていく、違和感のあるにおいが。

これか。

これが磯臭さというやつだな。

磯臭いことで有名な魚は、アイゴやタカノハダイ、イスズミなどがいますが、どれも暖海性の魚。

これまでずっと東北に住んでいた私は、磯臭い魚に巡り合うことがあまりなかったこともあって、ニザダイのこの独特の香りはまさに鮮烈なものでした。



しかし、食べられないわけではないな、といった感じでした。

その後、春先に未利用魚セットを購入した際に2度目の出会いがあったのですが、こちらも磯臭さはあるものの、食べられないわけではない。

とはいえ、ニザダイが磯臭さを持つことを知らずに食べたら、かなり気になる香りかと思います。

よりおいしく食べるにはどうしたらよいのだろう?

まずは生で食べてみよう

ニザダイの刺身は、なかなか美しい色合いをしています。

どう見ても美味そうなんですけれどね...

まるでマダイを連想させるような表面の美しさ。

ただ、独特の強い香りと後味に残る渋みは、かなり好みがわかれそう。

今回食べたニザダイは、過去に2度食べたときよりも癖を感じませんでした。

刺身でも問題なく食べられる。

しかし、「臭くない」「癖がなくて美味しい」と言ったら噓になってしまうでしょう。

においの強い魚に当たったときには、「洗い」すると美味しく食べられることがあります。

スズキやボラなど、汽水域の魚が良く用いられますね。

刺身をぬるま湯か塩水に通し、氷水でよく洗う。

これを酢味噌で食べると、癖が減って食べやすくなります。

実際に、ニザダイを使って洗いを作ってみると、癖はかなり軽減されます。

しかし、酢味噌が苦手という人も少なくないようですので、今回は他の方法で試したいところ。

そこで、今回は「漬け」を応用してみることにしました。

大分の郷土料理でもある「りゅうきゅう」を応用してみます。

刺身の端材で作るのもありです!

作り方は難しくなく、まずはショウガと長ネギを細かくします。

つぎに、タッパーにしょうゆとみりん、お好みで砂糖を入れて味を調整し、そこに先ほど刻んだショウガとネギを入れ、すりゴマも入れる。

そこに切った刺身を入れるだけ。

あとは少し寝かせて味を染み込ませます。

私はこの料理、アジ類で作ることが多いです。

味が良く染み込んだ中に、魚の旨味がキリっと立つ感じが好きなんですよね。

今回はアジではなく、磯の香り漂うニザダイですが、美味しくできたでしょうか...!



はい、できました!!(笑)

香味野菜とゴマの香りと甘辛ダレによって、磯臭さはある程度マスキングされています。

食感は刺身で食べたときよりもねっとりとしており、旨味も感じられる。

この食べ方、刺身より食べやすいという人も多いかもしれません!

一度洗いにしてから漬け込めば、さらににおいが軽減されそう。

今度やってみようかな。

加熱調理だと香りが立ちやすいかも

続いては加熱調理と行きたいところですが、ここで1点注意事項が。

ニザダイのように、磯臭さを持つ魚は、加熱調理するとそのにおいが強まる傾向にあります。

特に皮目にはにおいが溜まりやすく、加熱されることで凝縮されることも。

念のため、今回は皮を剝いでから調理することにします。

半身が残っているので、焼き物にしてみましょう。

脂もよく乗っているんだよな

まずは、シンプルな塩焼きから。

焼いている途中から、コンロの周りから嗅ぎなれない香りが漂っています。

ただ、臭くて我慢できないとかではなく、「なんだこのにおいは??」という違和感がある、といったところでしょうか。

焼き上がりを確認すると、表面に脂が浮き上がって悪くなさそう。

食べてみると、すぐに感じる違和感。

刺身で食べたときよりも、においは確実に強くなっています。

ただ、美味しくないということではなく、強烈な個性をお持ちですね、という感じ。

身もほどよく締まっており、食感は悪くない。

これは、お酒を飲もう! と思い、試しに芋焼酎と合わせてみたら、相性バッチリ!

焼酎のお供としてはなかなか優秀かもしれません。

ただ、もう少し食べやすければ...という思いもあるので、一工夫してみましょう。

フライパンに溶け出した油をかける調理法を「アロゼ」というらしい

ということで、フライパンを使って「ポワレ」のようにしてみました。

バターと少量のニンニクを使い、油をかけながらニザダイの身をカリッと焼きます。

ニンニクの香りとバターの油分が、ニザダイの磯臭さをマスキングしてくれないか、という算段でしたが...

なるほど。においは完全には隠れないんですね。

そのあたりは、加熱調理の宿命でしょうか。

ただ、バターとの相性が良く、格段に食べやすくなっている!

香りづけにハーブを使ってみるのも面白そう。可能性を感じます。

そもそもそこまで臭い個体に当たったことがないのかも?

こうしてニザダイを4種類の調理法で食べ終え、大満足でした!

今回の個体はそこまで臭いものではなかったのかもしれません。

私はニザダイを人生で3回食べたことになりますが、臭くて食べられなかったことは一度もありません。

ただ、話によると、夏場の個体など、さばいている途中で食べるのをためらうほどのにおいがする場合があるようです。

鮮度の問題ではなく、漁獲した瞬間から既に臭いものもいるようで...。

そういえば、子どもの頃に買った魚の本に、磯臭い魚は一度熱湯にくぐらせてからすぐに氷水に取り、身を霜降り状態にしてから、ショウガを利かせた甘辛い調味液で煮ると良い、みたいなことが書かれていたのを思い出しました。

煮付けだとにおいが最大級にならないかな、などと思って今回はやらなかったのですが、上記の調理法だとどのくらい磯臭さを軽減できるんですかね?

機会があればやってみようかな。

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