見た目がユーモラスなホウボウは、鳴く魚としても有名で、特徴的な魚です。
また、食べても美味しい魚で、最近ではスーパーで見られる場面も増えてきました。
ここではホウボウはどんな魚なのか、思い出を交えながら書きつつ、ギターにしてみたいと思います。
ホウボウはこんな魚
スズキ目ホウボウ科のこの魚は、一見すると赤い魚に見えます。
しかし、大きな胸ビレを広げると、内面が鮮やかな緑色で、青い縁取りと斑点もあります。
とても美しいため目を引く魚ですが、特徴はそれだけではありません。
エラのすぐ側に、何やら足のような器官が左右に3本ずつついています。
これは、胸ビレの一部が脚状に変化したもので、この器官を使って海底を歩き回ることができるのです。
そして、この器官に味蕾を有しており、餌となるエビやカニ、小魚などを探すときに役立ちます。
魚なのに歩けて、しかも脚に当たる部分で味覚を感じ取れるなんて、とてもユニークな魚ですね。
また、浮袋に特殊な筋肉があり、浮袋を収縮させたり振動させたるすることで、音を発することができます。
その音は、身の危険を察したときに鳴らすと言われています。
派手な見た目なので、熱帯魚のようにも見えますが、北海道の南部より南の海域に幅広く生息する魚です。
全長は40cm程度まで成長し、沖合の深場に生息するイメージがありますが、砂浜や防波堤で釣れることもあるようです。
食味も良く、見た目も立派なことから、地域によっては赤ちゃんのお食い初めの際に用いられることもある魚です。
ホウボウの思い出
幼い頃にこの魚を図鑑で見たとき、嘘みたいなカラーリングの魚もいたものだと思いました。
その後、水族館でこの魚を直接見たときは、図鑑と同じ色合いで思わず笑ってしまいました。
海底をよちよち歩く姿はとてもユーモラスで、ついつい「頑張れ! 頑張れ!」と思いながらいつまでも見ていられますが、水族館ではそれ以上に目を引く魚も多いため、意外と注目している人は少ないかもしれません。
海底を歩く姿と、急に胸ビレを広げて泳ぎだす姿は、ぜひ多くの人に見て欲しいと思っています。
この魚を初めて食べたのは、20代の中盤になった頃です。
当時、ホウボウは盛岡では売っておらず、仙台に来てちらほら目にするようにはなりましたが、デパ地下の鮮魚売り場で見ることばかりで、なかなかいい値段なので、購入するのをためらっておりました。
それが、あるとき仙台駅前の朝市で、中型サイズが1匹300円くらいで売られていたので、迷わずに買うことができました。
念願の調理でしたが、包丁を入れるにあたり、少し迷ってしまいました。
特徴的な胸ビレと脚に加えて、新幹線のようなフォルムをしています。
こんな魚をさばくのは初めてでした。
なんとかさばいていると、今度は浮袋の大きさに驚きました。
食べられるかも?と思い、また板の端に置いて取っておきました。
そのときは、取り置いた肝と浮袋も入れて煮つけにしたように記憶しています。
身が少し硬くなってしまったように思いましたが、全く癖もなく食べやすい、美味しい魚でした。
そして、浮袋は珍味かと思いきや、こちらはゼラチン質が多いものの癖がなく、ホウボウをさばいたら絶対に食べるべきだと感じました。
そして、旨味の溶けだした煮汁がとても美味しかったです。
ホウボウは骨が硬く、頭も骨ばっていることから、とても良い出汁が出る魚です。
刺身で食べたのは、それから数年が経った頃です。
旨味が強く、ほどよく脂も乗って柔らかさもあり、美味しい白身の刺身です。
お寿司で食べたことはまだありませんが、きっと何貫でも食べられる味なのだろうと、勝手に予想しています。
先日、長男が生後100日を迎え、自宅でお食い初めを行いました。
お膳は私が作ったのですが、お祝いの魚には一般的に使われるタイではなく、このホウボウを使いました。
ホウボウは頭の骨が硬いことから「丈夫な骨になりますように」という思いと、浮袋を使って鳴くところから「夜泣きをあまりしないように」という思いでこの魚を用いました。
立派な子に成長してほしいなと、父としてそう思っています。
ホウボウをギターにすると
ホウボウはレスポールタイプにしたい!と強く思いました。
これはどちらかと言えば、見た目でそう判断しました。
レスポールタイプは鮮やかな色が映えるギターでもあり、ピックガードの形状はまさに魚のヒレのようで、鮮やかな赤色のフォルムと大きな胸ビレを持ったホウボウとの相性が良いと感じました。
2基のハムバッカーのピックアップを搭載したこのギターで、さらにディストーションサウンドで演奏したら、太い音と相まってますます目を引くのではないでしょうか!?
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