マイワシは言わずと知れたイワシの代表格の魚であり、美味な大衆魚として親しまれています。
鉄分やカルシウム、DHAやEPAといった栄養成分に富んでいるだけでなく、旬のマイワシは脂の乗りも抜群で、積極的に食べたい魚でもあります。
ここではマイワシはどんな魚なのか、思い出を交えながら書きつつ、ギターにしてみたいと思います。
マイワシはこんな魚
ニシン目ニシン科のこの魚の最大の特徴は、体側に並んだ黒い斑点です。
この斑点が星のように見えることから、市場では「ナナツボシ」の名で呼ばれることもあります。
小型の魚ではありますが、大きくなると30cm前後まで成長する個体もいます。
庶民的な大衆魚のイメージが強い魚ですが、時に値が高騰することがあり、1匹500円以上の値が付くこともある魚です。
また、一時期は不漁が続いていたこともありますが、近年は漁獲量も戻りつつあります。
旬の時期については産地による部分が大きく、初夏から秋にかけて良質のマイワシが市場を流通します。
太平洋側では、梅雨入りの時期に脂が良く乗ったマイワシが漁獲され、この時期のマイワシは「入梅イワシ」と呼ばれ、特に美味しいものとされています。
旬のマイワシは皮下に厚い脂の層を蓄えており、刺身にするととろけるような食感が楽しめます。
また、塩焼きは脂が滴るほどで、大根おろしを添えるだけでとても美味です。
その他、梅肉煮やフライ、つみれ汁といった様々な調理法でその味を堪能することができる魚です。
たかがイワシ、などと侮ってはいけません。
マイワシの思い出
子供の頃、母親が作るマイワシのフライが大好物でした。
肉厚で大きく、食べ応えも抜群で、間に挟んでいる大葉との相性も良く、マイワシのフライの日はなんとなく機嫌が良かったものです。
家族で岩手の海に釣りに行き、サビキ釣りをするとイワシを釣ることができました。
しかし、当時のサビキ釣りで釣れるイワシは専らカタクチイワシでした。
カタクチイワシも美味しい魚ですが、マイワシとは食味が異なります。
イワシは回遊魚のため、群れにさえ当たれば大漁が期待できる魚でもあります。
美味しいマイワシを大釣りしてみたい! という気持ちは、サビキ釣りの回数を重ねるごとに増していきました。
それからかなりの年月が経ち、私は30代になっておりました。
10月のその日は、宮城の海でサヨリでも狙おうかと思い、浮きフカセ釣りをしていました。
本命のサヨリは回遊しておらず、時折小さなメバルやメジナ、クロダイの幼魚が遊んでくれるだけで、釣果は芳しいものではありませんでした。
そのときです。
その日の釣り場は水深も3~4mくらいしかない浅い場所で、水も澄んでおり、海底の感じがなんとなく見えておりましたが、いきなり黒くてかつキラキラした大きな影が辺りを埋め尽くしたのです。
その影はどう見ても回遊魚の大群だったため、慌ててコマセを撒きました。
すると、活性の上がったその魚の群れは水面まで上昇し、俊敏な動きで瞬く間にコマセを食い尽くしました。
回遊魚を狙うにはサビキ釣りが効果的なため、慌てて仕掛けを変えて、サビキ仕掛けを投入しました。
ですが、この日は水が澄んでおり、なかなか擬餌針に針掛かりしてくれません。
しかし、諦めないで続けているうちに、ようやく魚がかかりました。
以外にもシャープな引きを見せたその魚こそが、ずっと待ち焦がれていた20cmを超える大きさのマイワシでした。
そこから先は、とにかく数を釣ることに集中しました。
回遊魚は群れがどこかに行ってしまうまでが勝負です。
なるべく群れをその場で足止めすべく、コマセを絶えず撒きつづけながら、サビキ仕掛けをしゃくって釣りを続けました。
その間、10分程度の時間だったと思います。
しかし、最終的には100匹を超える数のマイワシを釣ることができました。
これだから釣りはやめられないのです。
帰宅してからマイワシをさばきましたが、ここまで鮮度の良いものをさばくのは初めてでした。
イワシをスーパーで買うと鱗がほとんどはげ落ちていることの方が多いですが、釣りたてのマイワシは鱗がびっしりと残っておりました。
鱗と頭、内臓を取る作業をまずは延々と続け、それが終わる頃には腰が悲鳴を上げておりましたが、調理はまだ始まったばかりです。
せっかくの機会なので、食べられるだけ刺身で食べてみようと思いました。
釣りたてのイワシの身はしっかりとした堅さがあって、箸でつまんでもピンとしたまま崩れません。
肝心の味は、脂はギトギトとまではいかずそこそこの乗りでしたが、臭みも全くなく、いくらでも食べられそうな味でした。
また、試しに酢飯に乗せて、贅沢なイワシ丼にしたところ、これが至極でした。
マイワシの旨味は酢飯との相乗効果が抜群で、ある種、マイワシにおける最適解をたたき出してしまったような気がしました。
たくさん刺身で食べましたが、まだ70匹くらい残っています。
残りはてんぷらや梅肉煮、オイルサーディンに加工したところ、あっという間に食べきってしまいました。
このときの体験が忘れられず、初夏や秋口の釣りの際には必ずサビキ仕掛けを持っていくようにしています。
マイワシの大釣りはこのときが最初で最後ですが、サビキ釣りをする度に、小サバやサッパの中に何匹かマイワシが混ざってくることがあります。
そのときは丁寧に持ち帰り、刺身でいただくようにしています。
マイワシをギターにすると
マイワシは迷うことなくストラトキャスタータイプにしました。
様々なジャンルの音楽において使用でき、3基のピックアップによる音作りが多様であるところが、大衆に親しまれ、様々な料理法で食卓を賑わせるマイワシの印象と重なります。
ストラトキャスタータイプのピックアップには、シングルコイルのみならずハムバッカーが使われることも多いですが、ここは3基ともシングルコイルとして、ジャキジャキとした歯切れの良く、高音がキラキラしている方が、マイワシが泳ぐ様子とリンクしやすいのではないでしょうか!?
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